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半衿の取り外し方とお手入れ方法ご紹介!@四万十店

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紀久屋は創業43年のお振袖を扱う呉服専門店!

四万十店は地元に愛される呉服店として今年14周年を迎えます。

高知県中部・西部エリア、愛媛県中予・南予エリアまで多地域の方に向けて

最新のお振袖情報をお届けしております!

お店は四万十市にありますが、各地でイベントを定期的に行っておりますので

まずはお気軽にお問い合わせください!!

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こんにちは、きものの紀久屋四万十店です。
台風も去って、一気に秋の気配が色濃くなってきましたね。
みなさまがお住まいのところは被害などいかがでしたでしょうか?
何事もないことを願うばかりです。
万一水害や雨漏りなどでお着物に被害が出た場合は、なるべく早めに専門店までご相談下さいね。
紀久屋でも出来る限りのお直しのお手伝いをさせて頂きます!

さて本日は、成人式でご着用になった後の「半衿のはずし方&お手入れ方法」をご紹介させて頂きます!

半衿とは、画像の赤で囲った部分の名前です。
基本の白無地から、色や刺繍の入ったものまで様々なタイプがございます。
しかしいずれにしても、着用時には「首まわりやお顔の皮膚が直接触れてしまうパーツ」になります。
半衿は基本的にご家庭でのお手入れやお取り替えを前提としているパーツでもあり、着用後には必ず状態のチェックをお願いしたい部分のひとつです。
汚れたままの半衿を付けっぱなしにしているとそのうち長襦袢本体へも悪影響が及び、数年後に改めてお袖を通そうとした時には定着したシミとなって高額なクリーニング代が必要な事態にもなりかねません。
お手入れして繰り返し使うのか、新しいものに交換するのか……
ベストな選択は場合によって変わってきますが、基本的には一度外した上で保管して頂くのが無難です。
(※脱いだあとには汚れが付いていないように見えても、後から浮き上がってくる場合もあります!)

以下の手順を確認して頂き、お振袖の衿元をいつまでも美しく清潔に装って頂ければ嬉しいです!

①両端にある止め部分を確認し、左右どちらかにハサミを入れる

半衿の両端には、I字型あるいはL字型の縫い目が露出した部分があります。
間違えて長襦袢本体の縫い目を切ってしまわないよう、ハサミを入れるのはここからにしましょう。
糸切りハサミがあれば良いですが、普通のハサミでも構いません。

半衿も長襦袢も傷めないように、半衿を引っ張り上げるようにしながら長襦袢との間に現れた糸にハサミを入れてください。

②数センチおきに縫い目を裁ち切っていく

半衿はほとんどの場合、くけ縫いという両側どちらにも縫い目の露出しない縫い方になっています。
このように半衿をめくると縫い目と糸が露出してきますので、軽く引っ張りながらどんどん糸を切っていきましょう。
まっすぐ進み、反対側の端まで完全に外してしまってください。

表側を外し終わった状態がこちらです。
あちこちに糸くずが残っているかと思いますが、裏側も外し終わったあとで一斉に取り除きますので今はこのままで構いません。

③長襦袢をひっくり返し、裏側も同様に端から外していく

裏側も必ず端のIまたはL字からハサミを入れるようにしてください。


全て外し終わりました!


長襦袢と半衿に残った糸くずを取り除いてきれいにしましょう。


最後に、長襦袢は元通り畳んでたとう紙にしまってください。

外すだけならここまででOKです、お疲れさまでした!
半衿はお手元に残して長襦袢をクリーニングに出したり、あるいは半衿が汚れている場合は半衿のみのクリーニングも受け付けています。
特に「色付きの刺繍半衿」はご家庭でのお手入れは少し難しいので、できれば専門店にご相談ください。
あるいは次のご着用時は別の半衿を用意して、気分を変えて装って頂いてもいいですね!
半衿の縫い付けはご家庭でも可能ですし、紀久屋でも一枚2,000円(税別)にて承っています。

さてここからは中級編です!
外した半衿には、往々にしてこのような汚れが付着していることがあります。

薄茶色の汚れは、ほとんどの場合ファンデーションと皮脂の混ざった油汚れです。
これは、どんなにお着物を着るのに慣れた方でも体型や着ていた時のしぐさ(おじぎなど)でどうしても付いてしまう汚れです。
また油性の汚れであるため水洗いではさほど綺麗にならず、かえって半衿の生地自体の縮みや劣化を招く可能性もあります。
(※弊社でも取り扱いのある洗える正絹半衿やポリ100%の半衿は水洗いも可能ですが、お手持ちの半衿の素材が分からない場合はできるだけ水洗いは避けてください)
これからこの汚れに関するお手入れ方法をご紹介していきます!

<事前の確認事項>
・半衿は白無地であること
 …色や刺繍がある場合、ご家庭でのお手入れは装飾を痛める可能性があります。
・敏感肌ではなく、爪はネイルをしていないこと
 …使用するベンジンが皮膚やネイルを痛めることがあります。
  また、素材を溶かす恐れがあるためゴム手袋などの使用も避けてください。
火気が無く風通しの良いお部屋があること
 …ベンジンは非常に揮発性の高い溶剤です。
  換気の良くないお部屋で作業すると気分が悪くなることがありますのでご注意ください。
  また、火気も必ず避けるようにしてください。

<用意するもの>

・ベンジン
 …ドラッグストアやホームセンターにて500円前後で販売されています
・白無地の清潔なタオル
 …プリントのあるタオルは色落ちや色移りが起こる可能性があります
・アイロン

準備が整ったら、お部屋の換気を確保したうえでタオルにベンジンをつけて汚れの部分を軽く叩いていきましょう。
ベンジンは少し付けすぎかな?というくらい多めに付けて頂いて構いません。
中途半端に少ないとかえって汚れが拡大してしまう可能性もあります。

汚れを叩いて浮かせ、タオルに写し取っていくようなイメージです。
生地を傷めるのでゴシゴシこするのは避けてください。
汚れの一番ひどい部分が浮いてきたら、周囲に向けてぼかすように優しく広げていきましょう。

汚れの様子を見て、ベンジンを足したりタオルの使う部分を変えながら2回ほど作業を繰り返してください。
だいたい汚れが取れたかな?と思ったら、半衿を持ち上げてパタパタ振ってみましょう。
ベンジンは非常に揮発性の高い溶剤なので、それだけで濡れた生地がすっかり乾きます。


きれいになりました!

これでもまだ汚れが残っている場合は、定着したシミになってしまっている可能性があります。
専門店でシミ抜きも可能ですが、おそらくそれよりも新しい半衿に交換して頂くほうがお安いかと思われます。
紀久屋ではポリ半衿は税別380円から、洗える正絹半衿は税別1,000円からご用意しております。


最後に、低温で生地の裏からアイロンをかけていきましょう。

縫い目のすじをきれいに取って……

できあがりです!

これで、汚れやシミがこれ以上悪化することもなくご安心ですね!
ただしぜひ「長襦袢の半衿を外した」ということはご記憶にとどめておいてください。
次回ご着用の前夜になって「半衿が付いてない!」という事態になると大変です……。
ご着用予定が決まったら、なるべく早めに使う予定の半衿をお決めになって縫い付けしておきましょう。

きもの姿は、きものや帯はもちろんのこと、半衿や八掛などちょっとした小物や裏地にもその方の着こなしが大きく現れます。
例えば成人式本番には赤地に豪華な刺繍で華やかに、数年後ご親戚の結婚式にお呼ばれの際には白地に金の刺繍で上品に……
お顔に一番近い半衿というアイテムだからこそさまざまな着こなしと演出が可能です。
お振袖に限らず、その日の装いやTPOに合わせた半衿使いができればもうきもの上級者です!
ぜひご家庭でのお手入れ方法をマスターして、お袖を通すたびに気持ち良くお召し頂ければ何よりです。

もちろん、この記事をご覧いただいたうえでやっぱりちょっと面倒かも……
肌が弱いからベンジンは触りたくないな……という場合、紀久屋にいつでもご相談ください!
プロの技術でお手入れも交換も承っております!

<豆知識>
残ったベンジンはしっかり栓をして、火気と高温を避けられる安定した場所に保管してください。
着物のお手入れのほか、お帽子のおでこが当たる部分やセーターの襟首まわりなど、洗いにくい素材のアイテムに付いたファンデ・皮脂汚れを落とすのにも使って頂けます。
その場合は最初に目立たない部分でパッチテストをお忘れなく!